NEWS

コロナ禍での変化から読み解く最新就活事情を調査

新型コロナウイルス感染症の影響により、大学生の就職活動の形も大きく変化しました。具体的にどのように就活が変化したのか、大学生はその変化にどのように対応しているのか?

各大学のミスキャンパスが集まり、社会課題に取り組むキャンパスラボが「コロナ禍での変化から読み解く最新就活事情」を調査。

10代、20代の若年層のニーズ検索や調査・評価目的など様々な課題に応じて「リアルなターゲットの声」と「課題の糸口」を提供しているキャンラボリサーチが女子大生のインサイトレポートを作成しました。

キャンラボリサーチについてはこちらをご覧ください。
キャンラボリサーチWEBページ:https://www.toppan.co.jp/solution/service/camlabo-research/

 

<調査概要>
・調査名:コロナ禍での変化から読み解く最新就活事情

・調査対象:大学生100名(2年、3年を対象)

・調査期間:2021年1月12日~3月12日

 

就活生の3/4がコロナ禍での就職活動に不安を感じている。

コロナ禍で周りとの接点がなくなったことによる情報難から、漠然とした不安が原因。

コロナ禍における就職活動についてアンケートをしたところ、3/4にあたる76%の学生が就職活動に不安を感じていることが分かった。

実際に大学生に就職活動の不安について聞いたところ、元々の就職活動への不安に加えて、通学がなくなったことで友人や先輩とのコミュニケーションの機会が激減。リアルな場で情報を得る機会がなくなり、就職活動についての情報収集や周りの近況を知る機会がインターネット中心となったことがわかった。

<大学生の声>

・コロナ禍とか関係なく、そもそも就職活動が上手くいくのか不安を感じる。

大学受験と違って、偏差値などの自分の目安がないので上手くいくのか不安。

・オンライン授業なので大学に行く機会がない。就職支援センターでの相談もすることが出来ない。

今までの先輩たちと違って、OBOGの紹介や就職活動について知る機会が少ないように感じる。

・「就職活動やばいよね」というLINEはするが、細かい状況をわざわざLINEで聞くのは気まずい。

どの時期にみんなどういうことをしているのか分からないので、正解が分からない。

・「コロナ禍で時間がある分、就職活動をしないと」と思いながら過ごしている。だけど、不安を感じるだけで何をしたらいいのか分からないので、何も出来ていない。

 

オンライン就活と対面での就活の両方にメリット・デメリットを感じる就活生。

就活生から見たその差とは??

コロナ禍での就職活動において、オンライン派か対面派かについて質問したところオンライン派(37%)、どちらともいえない(33%)、対面派(30%)がほぼ1/3ずつという結果になった。

オンラインと対面での就職活動について、どのように感じているのか大学生にインタビューしたところ、どちらにもメリット・デメリットを感じており、選考段階や志望度によってどちらが良いかも変わってくることが分かった。オンラインでは選考初期の忙しい時期に効率的に就職活動が出来ることをメリットと感じており、対面では企業に訪れることで社内の雰囲気を感じとれたり、自分のアピールのしやすさをメリットと感じていた。

<大学生の声>

・オンラインは家での実施なので、移動をしなくていいので説明会などわざわざ行かなくていいのが有難い。移動がない分沢山の会社の説明会に参加できる。でも、会社によってzoomなど使うものが変わるので知らないものだと不安。

・志望度が高い会社だと、どういう会社なのか雰囲気を知りたいし、相手のリアクションを見ながら話したいと思う。選考方法によって準備や心構えが変わるので、どんな選考段階となるのか気になる。

・オンラインだけで判断されると、本当に自分のことを分かってくれているのかと不安に感じる。

・家での面接はリラックスできるし、パソコンの後ろにカンペを仕込んだり便利な気がする。けど、自分がどんな顔でしゃべっているのか、しっかりリアクションをとれているのかなどが気になってしまう。対面だと会議室などで行われるので面接官しかいないため、面接に集中が出来る気がする。

 

多様化する就職活動の情報収集。

大学生は様々なツールを駆使し、就職活動を乗り切ろうと奮闘!

大学への通学が少なくなり、大学のキャリアセンターに気軽に相談しづらい状況へと変化。大学生はどのように就職活動の情報を収集しているのかを質問したところ、複数の就職活動用ツールや学生間の繋がりを活用し就職活動をしていることが分かった。また、ツールによって役割を分けて活用することで、就職活動における情報を網羅できるようにしていた。

<大学生の声>

・就職活動は何をするのが正解か分からないため、色々なところから情報を知りたいと思っている。

・キャリアセンターは予約制で相談に乗ってもらえるが、予約が取りづらく、資料を自由に見ることができなくなってしまった。そのため、自ら情報を集めないといけない。企業の説明会では、その企業の説明しか分からないし、就職活動のやり方などは先輩に聞くようにしている。

・企業の説明会ではいい事しか教えてくれないので、実際に働いている人がどう思っているのか気になるので就職口コミサイトだけじゃなく、転職口コミサイトも見るようにしている。

・就職アカウントはなんとなく登録しているが、SNSを見る時にはダラッとしていてしっかりと物事を考えたい時間ではないので、「就活やらないとなぁ」というレベルで流し見している。

 

就活生の6割以上が、企業選びで社内の雰囲気を重視!

一方で、対面が減り、伝わらない社内の雰囲気。働き方や事業内容だけでなく、社内イベントなど社内交流情報を求めている。

企業選びで特に重視していることは何ですか?と複数回答可で質問したところ、約7割(66%)近い学生が社内の雰囲気を重視していると回答した。2番目に多かったのは成長できる環境がある(35%)、3番目に多かったのは理念・ビジョンに共感できる(31%)との回答。その後は安定した事業を続けている(26%)、社会における好感度が高い(23%)が続いた。

「自分に合った会社」に悩む大学生は仕事内容や事業内容だけでなく、どんな人と一緒に働くのか、どんな環境で働くのかなどの仕事環境を知りたい学生が多い傾向にあると考えられる。一方、コロナ禍でオンライン就活を余儀なくされていることで、会社の雰囲気が自分と合っているか不安に感じているようだ。オンライン上でも会社の雰囲気を感じるための要素として、社内イベントや社内間の交流情報を必要としている。

 

インフルエンサー採用、Clubhouse説明会、人狼グループワーク。

デジタルネイティブであるZ世代に合わせて、若者の時流を取り入れた採用活動が増加。

コロナ禍でオンラインが主流となる中、企業は新しい採用方法を取り入れていることが分かった。

大学生のマストツールであるInstagramやTwitter、YoutubeなどSNSのフォロワー数を重視し、情報感度の高さや世の中への影響力を評価するインフルエンサー採用。最近リリースされた録音禁止の音声SNS「Clubhouse」で、人事や社員の対話形式でのラフなコミュニケーションを聞き企業の雰囲気やそこだけのオフレコな情報などが得られる説明会。コロナ禍で学生の遊びとして人気があった人狼を取り入れ、学生が楽しみながら取り組んでいる様子からリラックスした状態の人物像をみるだけでなく、論理的思考やコミュニケーション力などを図るグループワーク。

若者の時流を取り入れ、採用活動として活用することで、学生との距離を縮めて相互理解を深める就職活動が増えているようだ。

<大学生の声>

・最近フォロワー数やいいね数を就職活動の中で伝えることが増えて、社会への影響力を見られているんだなと感じることが増えた。

・Clubhouseが流行り始めたときに、企業の説明会にいくつか参加した。普段聞く会社説明会よりも、話し方もフランクでリアルな会社の雰囲気が伝わった。雑談とかもあって聞いていて楽しかった。

・人狼でグループワークをする会社があると聞いたことがある。コロナ禍にオンラインで友達と人狼ゲームをたくさんしたので、人狼のグループワークをやってみたいと思った。