徐々に若年層を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種が広まりつつある一方で、ワクチン接種に対して慎重な声も多く、接種拡大に懸念があるとも言われています。現在の若年層の接種状況はどのようなものなのか、一体何に不安を感じているのでしょうか?
新型コロナウイルスワクチンを「打つ」「多分打つ」と回答したのは半分以上。一方で、「周りの様子を見る」「打たない」と回答したのは約1/4。
新型コロナワクチンを打つかどうか調査したところ、「打つ」「多分打つ」という回答が合わせて54.3%。打つことに対して積極的な人が半分以上いることが分かりました。 「既に打った」という回答も20.0%あり、若年層の接種機会増えてきたことがうかがえます。 一方で、「周りの様子を見る」という回答は18.1%、「打たない」との回答も7.6%という結果に。 打つことに対して消極的な姿勢の人が、4人に一人いることがわかりました。
20%はもう既に打っている!自治体だけでなく学校やバイト先で打つ機会が増えつつある。
新型コロナウイルスワクチンを「既に打った」「打つ」と回答した人に、接種場所について尋ねたところ、「学校」「自治体(市区町村他)」という回答がともに35.7%。「バイト先・インターン先」という回答も21.4%あり、社員だけでなく学生バイトにもワクチン摂取の機会を提供している勤務先があることがわかりました。その他としては「父親の勤務先」「内定先の企業」という回答がありました
「周りの様子を見る」「打たない」という“慎重派”女子大生の間では、 「安全性」「副反応」を 不安視する声が多数見られた。
ワクチン接種について「周りの様子を見る」「打たない」と回答した人に、ワクチン接種をためらう最大の理由について尋ねたところ、「安全性(免疫反応)が気になるから」という回答が最も多く36.7%、次いで「副反応(一時的な物)が気になる」が33.3%。発熱などを伴う副反応、後遺症などが残らないかといった安全性が気になるという人が、あわせて7割弱いる結果に。「その他」の理由としては「不妊になると聞いたから」「子宮系に影響があると聞いたから」という声があがってます。このような理由から、打ちたいけど“打たない”を選択する人が少なくないのではないかと推測されます。
まとめ
今回の調査から、イマドキの女子大生の3/4の人は新型コロナウイルスワクチンを「打つ」「打った」ということが分かりました。その一方で、1/4の「打たない」「周りの様子を見る」と答えた人の中には、ワクチン接種によって妊娠に影響が出るのではないか、という点を恐れている人が少なくないことがわかりました。
平成25年(2013年)4月には、子宮頸がんの予防法として知られるHPVワクチンが定期接種化されたが、直後の6月に接種の積極的勧奨が差し控えられる出来事がありました。現在の女子大生は当時HPVワクチンの摂取対象であった小中学生にあたり、当時、HPVワクチンを打った経験や、その後に出てきたワクチン接種に伴う副作用などの情報の混乱に直面した世代でもあり、そのことから、女子大生の多くが過去の経験と今の情報を複合的に考えて、新型コロナワクチンを接種することに対し慎重になっているのではないかと考えられます。 ワクチン接種が先行している欧米では、若年層がワクチン接種に対して積極的でないことが問題視されているが、日本でもいかに若年層の接種率を高めていくかが課題になると思われます。日常的には触れにくい専門家などの正しい情報を、若い世代が見つけやすい環境を整えることで、新型コロナワクチンへの不安を減らすことが重要ではないでしょうか。
・調査名:女子大生の新型コロナワクチン接種状況調査
・調査対象:首都圏女子大生100人
・調査期間:2021年7⽉1⽇〜2021年7⽉17⽇
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